2024年度テーマ・理事長所信

2024年度理事長所信

公益社団法人 厚木青年会議所,厚木JC,梶原弘揮
第56代理事長 梶原 弘揮

【はじめに】

 「思考は現実化する」という言葉には、強い力があります。ナポレオン・ヒルが提唱したこの考え方は、人々が持つ考え方や信念が、人々の行動や行いに影響を与え、その結果として人々の生活が変化していくことを示しています。私たちは、「私には成功する力がある」と自身を信じることで、積極的に自己を改善し、目標に向かって行動を起こすことができます。私たちの思考や信念は、私たちの行動や生活の方向性を決定する上で非常に重要な役割を果たしているのです。

 私は、この考え方を常に心に留め、課題に取り組むことでより良い状況を作り出すことができると信じています。青年会議所の活動においても、地域の課題を解決するために、一人ひとりが自己を成長させ、力を合わせて情熱を傾けることが必要です。私たちは、地域社会に貢献し、地域の未来を変えるために強力な力を持っています。私たちの取り組みが、人々の生活に良い影響を与え、地域全体がより良い未来に繋がることを確信しています。

 私たち青年会議所のメンバーは、家族や仕事など個々の生活を持ちながらも、青年会議所の活動に参加しています。青年会議所は一般的には会社の経営者ばかりといった印象もありますが、会社員や学生の方、全国的には公務員の方、また企業の研修の一環として入会される方など、様々な職業や立場のメンバーがおり、近年では女性会員の比率も上昇しています。まず、会を運営する大前提としてこの事実を受け入れ多様性を理解することが大切です。

 私たちは皆、同じ方向を向いた仲間です。まずは厚木青年会議所全体が一つとなり、会議の運営から例会事業の構築、各種大会の参加まで、皆が主体的に取り組むことが必要です。責任者は、より良い結果を得るためにどのような対策を取ることができるかを真剣に考え、周りのメンバーはその責任者を適切にフォローしていくことが求められます。特定の例会や事業に重きを置くのではなく、すべてのメンバーが担当する例会・事業ごとに主役となることが重要です。

 私たちは、地域の皆様から求められ、より価値の高い団体へと成長するために、メンバー全員が自身の本来の力や特性を最大限に活かし、厚木青年会議所の本領を発揮していくことを目指します。

【リーダーシップ研修】

 青年会議所の使命(JCIMission)は、青年が社会により良い変化をもたらす力を身につけるために、リーダーシップの開発と成長の機会を提供することです。この使命は、2022年の世界会議の香港大会で行われた総会において再定義され、リーダーシップの重要性が強調されました。私たちはその意図を理解し、なぜこのように改訂されたのかを明確に把握する必要があります。
 リーダーのあり方は、人によって異なると考えますが、私が重要だと思うのは、リーダーにふさわしい資格を持っており、職務を忠実に遂行できることです。資格とは、日常の行動や振る舞いにおいて間違いがないことを指します。日々の行いが良くても、一度の過ちで全てが否定される可能性もあるからです。また、与えられた職務を全力で遂行することは当然のことですが、非常に重要な要素です。
 現在の厚木青年会議所において、最も必要なリーダーシップに関する研修は、メンバーのモチベーションとエンゲージメントの向上を図ることが必要だと考えます。メンバーの自信を育み、能動的な行動を促すために、自己成長と自己啓発のための機会を提供します。個々のメンバーの変化が組織全体に波及し、さらには地域に対する変革をもたらすことが期待できます。
 私たちの目標は、一人ひとりが高いリーダーシップ力を身につけ、自信を持ち、能動的に行動し、社会への積極的な貢献を果たすことです。この目標を達成するために、厚木青年会議所は青年の成長と発展を促進する環境を提供しなければなりません。

【祭りから地域発展に取り組む】

 地域に根ざした祭りは、その起源や趣旨は多様であり、その地域の伝統文化の一部を担い、地域の関係者にとって、自らのまちの誇りとして捉えられていると考えられます。しかしながら、近年、人口減少や高齢化、ライフスタイルの変化など、地域社会を巡る状況が大きく変わっており、祭りの活力も衰退傾向にあることが指摘されています。
 祭りは地域の伝統文化として存続させるべきであるという主張がありますが、祭りが衰退していくことは時代の流れの中でやむを得ないという考えもあるかもしれません。しかし、祭りを維持・発展させることにより、様々な地域の社会課題を解決し、地方創生を実現することができるとすれば、祭りは新たな役割を持つものとなります。また、祭りが多様な役割を担っていくことは、祭りに新たな資源が組み込まれることとなり、結果的に祭りを守ることにもつながっていくことでしょう。
 厚木青年会議所の活動エリアで最も大きな祭りは鮎まつりです。私たちは、長年にわたり、その状況に応じた形で参加をしてきました。本年は、従来の形にとらわれず、より早いタイミングで行動し、広報することで、より多くの方にご参加いただける状況を作りたいと考えています。老若男女を問わず、一人でも多くの方が参加できるような継続的な事業を行うことで地域経済の活性化に貢献し我々の存在価値を示すことができるのです。

【55周年式典】

 厚木青年会議所は1969年に設立され、今年で55周年を迎えます。私たちが今もJCバッジを身につけ、厚木青年会議所の名を背負い、まちづくりを実践し続けることができるのは、先輩方が常に時代の変化に合わせて地域社会の未来を見据え、積み重ねた功績や熱心なご尽力により支えられたからです。また、関係諸団体の皆様からのご支援ご協力があったからこそ、より信頼性が高く、質の高い例会・事業が行えていることは、疑いの余地がありません。
 この55周年式典は、厚木青年会議所の歴史と伝統を誇り、新たなステージへの挑戦を示す重要な節目です。当日は、これまで当会が実施してきた独自の活動や運動を振り返り、未来に向けた展望である中期ビジョンを大々的に公開し、私たちの存在価値をより一層周知、認知いただくことを目指します。ご参加できない方や今後関わる方に向けて記録として残すことも必要であると考えます。そして、この式典を通じて、地域社会のさらなる発展と繁栄に向けて、地域の皆様と共に歩んでいくことを願います。
 この節目の年にふさわしく脈々と受け継がれる厚木青年会議所らしい堂々とした式典を開催し、皆様にご参加いただけるよう、全力で取り組んでまいります。皆様からいただいた多大なご支援と協力に感謝しつつ、これからも地域社会の未来を見据え、使命を果たしてまいります。 

【三市町村と共に歩む未来】

 厚木青年会議所は厚木市、愛川町、清川村の地域で活動しています。それぞれの自治体は人口、地理的特性、産業構造、経済状況などによって独自の特性を持ち、異なる課題に直面しています。
 継続事業の一つとして、行なっている定点撮影において、昨年は、地域の企業様より定点アルバムの写真を引用したいとの話を頂きました。撮影場所としてご協力頂いている皆様に加え、ホームページなどでも積極的に推奨し、定点撮影の新しい価値を見いだしていきます。
 また、今年は、三市町村長例会を2回開催したいと考えています。まず、厚木青年会議所内で各自治体の課題を抽出し、1回目の例会で話し合い、解決方法を検討します。そして、2回目の例会までにその解決方法に基づいて行動し、その結果を2回目の例会で公開する予定です。三首長様にも携わっていただき、価値の高い例会となることを目指しています。
 単年度制の弊害を避けるためには、一度の例会や事業だけで終わらず、継続的な取り組みとフォローアップが重要です。これによって、課題解決に向けた成果を上げることが求められます。このようなアプローチにより、厚木青年会議所はより質の高い組織として成長するでしょう。
 そして、地域の課題解決を目指すためには、各自治体との協力関係を強化する必要があります。地域の発展と未来への貢献を目指し、包括的なアプローチで課題解決に取り組んでいきます。厚木青年会議所は、地道な努力を続けながら各自治体と協力し、地域の課題解決に貢献しています。

【拡大及び定着率向上について】

 厚木青年会議所は、原則として会員の会費を原資として運営されています。会員数が減少すると予算の減少と例会事業の規模の縮小を避けることはできません。また、他の団体と比較される際には会員数が会の力を示す一因とされることもあります。
 現在、全国の青年会議所の会員数は10年前の6割ほどに減少しています。中には、かつて100名を超える会員数を誇った青年会議所が解散しているケースもあります。このような事実から、会員数の絶対数が減少していることは確かです。
 厚木青年会議所の発展の為には入会対象者の年齢、職種、立場、性別などの属性にとらわれることなく、積極的に声かけを行う必要があります。拡大例会を開催し、その際には、多くの人が魅力と思えるようなゲストを招くことで、厚木青年会議所の広がりの機会を創出して参ります。
 また、定着率については、委員会の垣根を越えたフォロー体制を確立し、会全体として退会者の減少に取り組んでいく必要があります。その大前提として現役メンバーは、適切な立ち振る舞い、例会・事業の構築、広報などの発信を十分に行い、会の魅力を高めることが必要不可欠です。
 将来にわたって厚木青年会議所が継続していくためには、時代の変化に適応した取り組みが重要です。会員数を増やし、定着率を向上させるために、拡大を担当する者だけではなく、会員全員が同じ目標のもと、全員が協力し、努力をする必要があります。

【時代に応じた規律の向上と革新的な会議の設営】

 厚木青年会議所は、毎年組織の編成が行われ、単年度制で活動を行っています。会員は1年ごとに異なる役職や担当を与えられる仕組みです。このような仕組みの中でも、厚木青年会議所は55年間にわたり、組織の基盤を維持し続け、活動を継続してきました。しかしながら、時代に即した新たな取り組みを行うためには、現状を謙虚に見つめ、時代の流れを見極めながら、規律の向上にも取り組む必要があります。
 組織の基盤を維持するためには、ガバナンスが非常に重要です。ガバナンスが崩れると組織は混乱し、秩序が乱れます。厚木青年会議所では、最高意思決定機関である総会をはじめとするさまざまな会議が開催されています。これら会議の開催にあたっては、固定観念にとらわれることなく、会議の開催場所や時間、場合によっては服装も含めて、あらゆる方法を模索、検討し実践することで、より良い会議が実現できると考えます。会議設営者は自身だけでなく、メンバーと共に他の青年会議所や他団体の手法を学び、より良い会議を行うための実践をしていくことが重要です。
 これらの会議では、各々の目的や意義を理解し、自身が求められる役割や行動を的確に把握し、意見質問をすることが重要です。これによって、より価値ある組織を築き上げることができるでしょう。

【継続的な実践に基づいた広報計画】

 情報発信のツールは、現代においてますます多様化し、複雑化しています。情報を効果的に伝えるためには、対象に合わせた適切なツールとタイミングの選択が欠かせません。単年度制で理事長や広報担当者が変更されることで、画一的な対応が難しくなる課題もあります。この点の是正が厚木青年会議所の課題の一つと考えられます。
 例会や事業など、厚木青年会議所の活動は公益性や非公益性に応じて異なる目標を持っています。そのため、公益性の高い活動では社会への貢献や地域への影響力を強調する広報内容が適切です。一方、非公益性の活動ではメンバーの成長や組織内の連帯感をアピールする広報が効果的です。適切な広報手段を選択するためには、活動の目的やターゲットオーディエンスのニーズを的確に把握することが不可欠です。
 今まで多くの広報に関する例会を行なっていますが、その結果を継続できていないのが現状です。予定者段階から広報の計画マニュアルを作成し、そのマニュアルを必ず実践していくためにも広報計画、広報の内容を各議案に記載し、実現していくことを目指します。
 また、広報活動においては投稿内容のチェック体制を整えることも重要です。事前の確認や編集作業を通じて、情報の正確性や誤解を招かない表現に気を配ることが求められます。その反面、タイミングの遅れを防ぐためには素早い投稿も必要です。
 そして、自分たち自身で広報するだけでなく、関連諸団体が開催するイベントへの積極的な参加も、効果的な広報手段の一つです。他の団体のホームページやSNSで取り上げてもらうことで、厚木青年会議所の存在や活動を多くの人に知ってもらうことができます。当然ながら、参加する関係諸団体の皆様のイベントの広報も私たちも行うことで、相互の連携を通じて、広報の範囲を拡大し、地域社会への関与を促進しましょう。
 適切な広報活動を通じて、厚木青年会議所の存在と価値を広く知らせ、地域社会の未来を皆で変革していきましょう。

【ブロック大会の主管についての準備】

 厚木青年会議所は、11年ぶりに、翌年2025年に公益社団法人日本青年会議所関東地区神奈川ブロック協議会主催のブロック大会の主管を担うことになります。ブロック大会は神奈川県内の21の青年会議所メンバーが集まり、フォーラムなどを通じて青年会議所運動の内容を共有する事業で、「神奈川ブロック協議会最大の運動発信の場」と言われています。今年はブロック大会に向け、準備委員会の設立と例会事業を通して適切な準備に取り組みます。
 ブロック大会には、「主管益」、「地域益」、「参加者益」、「主催者益」、「社会益」の5つの益があります。この趣旨を説明し、地域の関係諸団体の皆様に協力を求める必要があります。今年は、関係諸団体の皆様のイベントや各種大会により積極的に参加し、パートナーシップを強化していきます。参加したメンバーには、各イベントの状況を説明し、共有する機会を提供することで、メンバー一人ひとりの地域との連携強化の意識を醸成して参ります。
 また、出向しているメンバーの支援も強化していきます。出向先での能動的な行動は、厚木青年会議所の評価を高め、その経験を厚木青年会議所に持ち帰ることで、最終的には地域に還元することにも繋がります。
 翌年2025年のブロック大会に向けて、メンバー全員の士気を上げ、本年に行なうことのできることは全て行い、2025年度のチームへバトンをスムーズに引き継ぐために一丸となって準備に取り組みます。

【終わりに】

 私は2015年1月に厚木青年会議所に入会し本年10年目となります。一貫して常に優秀なメンバーとは言えませんでした。おそらく誰も私が理事長になる日を予想していなかったでしょう。タイミングが良かったと言えるかもしれません。歴代理事長や他の青年会議所の理事長の方々と比較しても、後方からのスタートを切る理事長だと感じています。

 そこで、私は皆様にお約束したいことがあります。

 まず、私は会の理事長として、広報活動に特化したいと考えています。私自らが会の広告塔となり、情報を発信し、他の団体や自治体の事業に率先して参加し、挨拶に伺います。また、広報活動だけでなく、自分自身の仕事の発展や家庭の平穏との共立を示すことで、メンバーの模範となります。さらに、私が挨拶させていただく機会では、その状況に応じて、その時に求められる形で、簡潔かつ、メンバーの心に響く話をするために、最善の準備をします。私が、理事長として果たせる役割として、このような取り組みを行いたいと考えています。

 私たち厚木青年会議所は、まだまだ成長できると信じています。そのためには、地域の皆様のご協力が不可欠です。具体的な行動を通じて、地域の課題に対して積極的に取り組み、社会に貢献いたします。

第56代理事長 梶原 弘揮

組織図

公益社団法人 厚木青年会議所,厚木JC